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Skyland Venturesブログ

The Seed Maker.

IFRS(国際会計基準)導入により進む日本のM&A

 

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出典:International Financial Reporting Standards - Fareed Sheik LLP, CPA's

 

先日よりM&Aが加速している背景もあり、キャンバスCFOやトレタ監査役をされている加登住眞さん(@kt2m)に紹介頂いた ドメスティック企業がIFRSを適用して得る5つのメリット/M&A Onlineの記事がとてもIFRSについてわかりやすく掲載されていたので少し関連記事を読んでみたことも含めメモ代わりにまとめました。

 

IFRS(国際会計基準)とは

・IFRSとは、International Financial Reporting Standardsの略で、国際財務報告基準のこと。

・全世界がひとつの会計基準を持つならば、国際的な取引のなかで、相手企業の経営実態を容易に読み取れるようになります。国際会計基準とは、各国がそこに収束しようとしている会計基準で、現在各国はIFRSに収束しようとしている。

・EUでの導入が義務化されたのは2005年で、以来、世界中で導入が進んでいる。現在100以上の国や地域が、自国の会計基準またはそれに準ずる基準としている。

・一般に、IFRSは、グローバルなビジネス展開を行っており、全世界から幅広く資本を集める必要のある企業ならばともかく、日本企業の大多数を占めるドメスティック企業には適していないと評されることが多い。

・また、従来の日本基準に精通した経営者や会計実務担当者にとっては、なじみのないIFRSの適用は負担が重く、可能な限り避けたいと考えている。現在、金融庁は、IFRSの強制適用の是非などについては、未だその判断をすべき状況にない(当面、判断見送り)との方針を発表している。

日本の会計基準においては、純利益、つまり収益から費用を差し引いて算出した値に重きを置いています。一方、国際会計基準とされるIFRSでは純資産を重視しており、その値は資産から負債を差し引いて算出します。日本の会計基準とIFRSでは重要視するものが違うため、日本国内で広く適用するまでには時間がかかると思われる。

 

IFRS導入におけるメリット

①のれんの非償却

②信用リスク変動の純資産への反映

③減損損失の戻し入れ

④債務超過子会社の損失分担

⑤退職給付債務の数理計算上の差異の取り扱い

 

今回の大きなトピックとしたいのは①のれんの非償却 についてである。

 

日本基準では企業結合により取得したのれんは、その後の事業展開の成功、失敗にかかわらず償却しなければならないが、IFRSでは、のれんは償却せず毎期減損テストを行うとされており、企業結合後の事業展開が少なくとも減損を要しない程度に成功している限り費用処理する必要は生じない。これは、縮小する日本市場における生存戦略の上で特にM&Aの必要性が高いと考えられるドメスティック企業にとって大きなメリットであり、相対的にのれん償却費の負担が重くなりがちな小規模企業にとって相対的により大きなメリットとなり得る。

ということでのれんによる減損をIFRS基準の方が行わなくて済むとされるものになる。ではなぜM&Aをする多くの企業がIFRS対応を進めないかといえば、買収したのれんに限らず多くの項目に対して、毎期減損テストを行なうルールがシビアなため、管理部門の人材を拡充しなければ行けないからであるそうだという。

 

IFRS導入をしているインターネット企業まとめ

日本のIFRS導入企業は東証にて開示されています。日本には約3500社ほどの上場企業がありますが、IFRS適用済会社数 102社、IFRS適用決定会社数 19社、合計 121社がIFRSに対応済ないし対応予定となっています。

 

下記がインターネット系企業だけ選別した一覧です。三井物産や伊藤忠商社などインターネット分野へ投資を一定している企業があるので、総合商社を含めています。

 

IFRS導入インターネット企業(及びインターネット分野への投資実施企業)リスト

企業名/証券コード/業種/IFRS導入時期

住友商事 /8053/卸売業/2011年3月期

ディー・エヌ・エー/2432/サービス業/2013年3月期 第1四半期
SBIホールディングス/8473/証券、商品先物取引業/2013年3月期 第1四半期
双日/2768/卸売業/2013年3月期
丸紅 /8002/卸売業/2013年3月期
マネックスグループ/8698/証券、商品先物取引業/2013年3月期
ネクソン/3659/情報・通信業/2013年12月期 第1四半期
楽天/4755/サービス業/2013年12月期 第1四半期
ソフトバンク/9984/情報・通信業/2014年3月期 第1四半期
伊藤忠商事/8001/卸売業/2014年3月期
三井物産 /8031/卸売業/2014年3月期
三菱商事/8058/卸売業/2014年3月期
エムスリー/2413/サービス業/2015年3月期 第1四半期
ヤフー/4689/情報・通信業/2015年3月期 第1四半期
ファーストリテイリング/9983/小売業/2014年8月期
電通/4324/サービス業/2015年3月期
コナミ/9766/情報・通信業/2015年3月期
クックパッド/2193/サービス業/2015年12月期 第1四半期
ネクスト/2120/サービス業/2016年3月期 第1四半期
KDDI/9433/情報・通信業/2016年3月期 第1四半期
フュージョンパートナー/4845/情報・通信業/2016年6月期 第1四半期
セプテーニ・ホールディングス/4293/サービス業/2016年9月期 第1四半期
ホットリンク/3680/情報・通信業/2015年12月期
インフォテリア/3853/情報・通信業/2016年3月期
アイティメディア/2148/サービス業/2017年3月期 第1四半期
光通信/9435/情報・通信業/2017年3月期 第1四半期

 

ここ数年、ソフトバンク、楽天は海外M&A、DeNA、KDDI、クックパッド(※C)あたりは非常にM&Aに積極的だったと思われるところがありましたが、それはIFRS対応によるのれんの非償却に出来るメリットも大きいのかもしれません。ここに記載のある企業が国内でM&Aを盛んに行なうときが急にくるかもしれません。

※C:現在はグループ企業の売却が盛んに行われています。

出典まとめ

-ドメスティック企業がIFRSを適用して得る5つのメリット - M&A Online

https://maonline.jp/articles/ifrs0061

-国際会計基準の概要と導入のメリット・デメリット 

https://biz.moneyforward.com/blog/houjin-kaikei/international-accounting-standards/

-IFRS適用済・適用決定会社一覧 | 日本取引所グループ 

http://www.jpx.co.jp/listing/others/ifrs/index.html