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独自の戦略で4年連続増収増益を達成するネスレ日本の事業戦略

 

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独自の戦略で4年連続増収増益を達成するネスレ日本の事業戦略

ネスレが好調であるらしく、その立役者となるのが日本法人の社長の高岡浩三さんという方のようだ。

news.line.me

 

以下記事を引用して紹介する。

すべての思考の原点は「顧客の問題解決」

人口減少を背景に国内の売上げは停滞し、低い利益率が常態化している食品業界。ほとんどの企業が苦戦を強いられている中、ネスレ日本は独自の戦略で4年連続増収増益を達成し、その勢いは留まるところを知らない。

同社の成長を牽引するのは、社長兼CEOである高岡浩三氏。優れたマーケティング手法で『キットカット』の大ヒットや『ネスカフェアンバサダー』といった新しいビジネスモデルを手がけてきた。

 

高岡氏は、その成功の秘訣を「本質的に物事を捉える思考力」にあると語る。 「人口減少で胃袋の数が減り、高齢化で一人あたりの消費サイズも小さくなっている。今や日本は、どんな食品企業にとっても、利益を上げるのが難しい国の1つです。それでも、ビジネスチャンスは存在します。そのチャンスを掴めるかどうかは、マーケティングを理解し、それをもとに目の前の課題をいかに考え抜くかにかかっています

 

総菜コーナーで見つけた新たなビジネスチャンス

「『なぜ、コーヒーが売れないのか』を考えたとき、その原因の1つが人口減少にあるのは明らかです。ただ、スーパーの総菜コーナーに行くと、常に活況を呈している。それは、人口は減っているのに世帯数が激増しているからです。

 

この30年間で合計世帯数は3,500万世帯から5,000万世帯以上へと増えているのですが、その大きな要因が、1人世帯、2人世帯の増加。だからこそ、少人数世帯にとって便利なサービスが伸びている。私は入社後の数年間、スーパーへの営業を担当していましたが、当時は総菜コーナー自体が少なかった。こうした生活スタイルの変化は、問題解決のヒントです。当然、コーヒーの飲み方も変わっているはずですから。

そこで『顧客は誰なのか』を問い直し、1人や2人で暮らしている人々が求めているものは何かと考えました。彼らの抱えている問題は何か。4~5人家族であれば、お湯を多めに沸かしてみんなが一度に飲めるインスタントコーヒーは便利ですが、1人暮らしの人が、1杯のコーヒーのためにわざわざお湯を沸かしたり、ドリップ式で1杯分だけ作るのは面倒です。

そこで、その問題を解決するために、ボタン1つで1杯ずつ淹れたての美味しいコーヒーが飲める『バリスタ』や『ドルチェ グスト』などのマシンが登場したわけです」

 

「新興国の市場では、顧客の問題を『モノ』で解決してきました。しかし、成熟した市場では便利なモノが世の中にあふれ、モノで顧客の問題を解決するのが難しくなる。そこで、ヒントになるのが、フィリップ・コトラー氏の提唱する『自己実現を目指すマーケティング』です。

ネスレでは今、コーヒーマシンを無料でオフィスに設置し、淹れたてのコーヒーを楽しんでもらう『ネスカフェアンバサダー』というサービスを展開しています。申し込みや代金回収をしてもらう『アンバサダー』を介し、オフィスで働く人には1杯約30円でおいしいコーヒーを飲んでもらい、我々はそのコーヒー代によって収益を得るビジネスですが、1つ、忘れてはいけない側面があります。これを導入したことで、オフィスの雰囲気が良くなったと、導入役のアンバサダーが社員に感謝されるケースが多いのです。

人間の心理には、人の役に立ちたいという欲求があります。この仕組みは、顧客や私たちだけでなく、アンバサダーにも心理的な利益をもたらしているわけです。アンバサダーの数は現在、25万人を超えています」

ただ、顧客自身が自己実現のために何を欲しているのかを把握しているとは限らない。

「高度経済成長期は、顧客が認識している問題を解決することで良しとされていました。今後は、顧客がまだ気づいていない問題を解決する『イノベーション』が必要です。『そうそう、こんな商品やサービスが欲しかった!』と言ってもらえるよう、顧客自身の潜在的な欲望を形にするマーケティングをしなければ生き残れません」
作業に追われていては考えは深められない

 

高岡氏は、2010年11月、代表取締役社長兼CEOに就任した際、スイス本社で居並ぶ役員たちにこう宣言した。

「私は日本で着実に売上げと利益を上げるモデルを作ってみせる。それがネスレジャパンの仕事だと考えています」

市場の縮小は先進国の宿命。ヨーロッパ諸国に先駆けて人口減少が進む日本で「先進国のマーケティングモデル」を作ることができれば、ネスレ本社にとってもバリューを提供できると考えたからだ。そのために高岡氏は、「根本的な発想の転換」が必要だと説く。

「たとえば、ボリュームを追うのをやめ、むしろ値段を上げながら価値をさらに上げていく視点で市場の変化を追ったことで、人口は減っているのに世帯数が激増していることに気づき、それを好機と捉えて新しいビジネスモデルを生み出せたのです。

 

そもそも日本は、20世紀型のビジネスモデルにとらわれがちです。高度成長期の日本は、毎年人口が100万人増える新興国でした。労働コストは安く、まじめに働く国民性。だからいい製品を安価で作り、外国勢に勝つことができた。しかし、状況が大きく変わった今、経済界がいまだに『モノづくり、コトづくり』を提唱しているのは、感覚がずれていると思います。それも、高度成長時代に勢いがあった日本が、バブル崩壊後に『なぜ』こうなってしまったかを誰も考えていないからでしょう」

では、本質を考え抜くには、どうすればいいか。高岡氏はいくつかのアドバイスをくれた。

「私が社会人になるときに『学生時代の勉強にはすべて解答例があるが、仕事には答えがない。だからこそ自分の頭で考え続けることを忘れるな』とアドバイスしてくれた人がいました。今は私も、社員にこの言葉を伝えています。要するに、上司に言われても、上司や先輩が上手くいった方法があっても、もっと上手くいく方法はないかと考え続けることが大事なのです。

また、問題を本質的に考えるためには、もっと考える時間を増やす必要があるでしょう。日本のビジネスパーソンは作業に追われすぎです。そして、与えられた課題を絶対に達成する強い意思があってこそ、深くまで考え抜けるのだと思います」

 

オーガニックグロースは先進国平均を上回るネスレ日本の2016年事業戦略

ネスレ日本2016年 事業戦略発表会の資料 がネットに上がっていますが、ネスレグループの世界売上11.1兆円、営業利益率15.1%で、後進国を含めたオーガニックグロースは4.2%に対して、日本のオーガニックグロースは4.6%と世界を上回っていると共に、先進国のオーガニックグロース1.9%に2倍以上付けていることに驚かされる。他の飲料メーカーではこのようにならないだろうと思うので驚異的な日本戦略がそこにある。

 

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参考記事まとめ

-ネスカフェアンバサダーを50万人に拡大へ ネスレ日本、2020年目標 | AdverTimes

https://www.advertimes.com/20140828/article168874/

 

-ネスレ日本社長兼CEO 高岡浩三日本法人の営業利益率は16%高収益支える商品ブランド力 ダイヤモンド・オンライン

http://diamond.jp/articles/-/17032

-ネスレが日本で起こした“奇跡” | 食品 | 東洋経済オンライン

http://toyokeizai.net/articles/-/13181

-10万人のファンが動いてくれたネスカフェのアンバサダー:日経ビジネスオンライン 

http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20131216/257086/?rt=nocnt