中国と日本がかつてない形で近付く3年になるために出来ることを考える

2018年末、2019年の活動を色々と検討する中で決意したことがある。それはSkyland Venturesのベンチャー投資や周辺事業において、中国との関わる時間の比率を上げて行くことです。


思い返すと、2018年の活動の中で中国含む、グローバルに何か活動に使った時間は5%も無いだろうと思います。これに反省していて、2019年はこの比率を30-50%に出来ないか、そのためにただ考えていても実利が無ければ続かないので、そのモデルを作り上げなければならない。

 

今回この考えをいくつかの観点で整理しておきます。


1.世界のインターネットのトレンドの牽引役が完全に中国になったこと

これは昨日今日始まったことではありませんが、WechatなどのチャットSNSやWechat Payにて実現されるモバイル決済、それによって加速したO2O。そして、個人インフルエンサーが広がり立ち上がったライブコマース周辺。これらも中国の中だけで先行していたかと思われていましたが、ゲームアプリ荒野行動・PUBG、ショート動画SNSのTik Tokなど世界中で使われるプロダクトが中国から産まれてくるようになりました。このレベルのプレイヤーがいるとなると、志の高い起業家は中国を避けることは難しくなるでしょう。なので、今更と思われるかもしれませんが中国に対しての時間をどう使うかを考えることにします。


2.Skyland Venturesや投資先が組織化イメージが出来たこと

組織化することの意味は、仲間を集め、後発でも勝って行こうと言う発想で取り組むと言うことを内包していて、いつから新しく始めても良いと考えるようになりました。


3.投資先の中から中国に事業が出来るポテンシャルが出てきたこと

インフルエンサー×テクノロジー周辺領域が多いですが投資先の中で下記のような要素を持つものが出てきました。

 

-中国参入ポテンシャル

-中国から明確な事業ヒントを得て国内事業を展開

-中国資本を受け入れられるポテンシャルがある


3.中国のインターネット企業へのEXIT(大型増資含む)or日本でIPOするかと言う選択肢


2019年以降、日本の景気後退が進むことはほぼ間違いがなく、そうなったときには、日本でのIPOや日系企業やVCの投資が冷え込むことは予想されます。その時にも中国企業は動くかもしれません。

 


4.中国人留学生や中国語の話せる日本人にとっての働く場所があまり無い


ポテンシャルある人たちの選択肢があまり無いであろうと考えていて、なんとかしたい。

 

など。これらについて多くの人と議論し、進めて行こうと思っている年末。

 

@kinoshitay 

 

Skyland Venturesの2018年の振り返り

ツイートをまとめていきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2018年のSkyland Ventures投資先MVP 3社の紹介

 

年末なので、このような発信をしたのですが各社に関してコメントをします。

 

・SCOUTER 組織的トライ&エラーを感じ成長した

投資させて頂いてから3年、特定のVC投資家や外部アドバイザーに戦略策定などにおいて大きく依存せず、代表の中嶋氏とCOOの山田氏を中心に自走し続けた投資先ですが、この1年は明確に事業成長し、組織的トライ&エラーを回し、会社として一個上のステージに成長したと感じました。僕らが手伝えたことは多くありませんが、GWあたりに気合が入り過ぎていた中嶋氏に、少し社内メンバーが育つのを待つべきであり焦るなとコメントをしてその後、一層メンバー全体の成長ポテンシャルが広がったように感じています。SCOUTERの社員全体に交流が深い訳では無いですが、社長の発する話の内容からして課題のレベルが徐々に上がっていることを見るに若い優秀なメンバーが集まっていることを感じます。

 

・hachidori シード・アーリー投資家に対しての素早いリターン実現

投資先hachidoriがディップ(東証1部)と資本提携しましたにてご紹介した通りですが、資本提携を実施するにあたり、SVの保有株式の大半がディップさんへ移ることとなり、彼らに投資したSV1号としてはファンド規模に対して相応のリターンを頂いたこととなり、感謝とともに今後の会社としての成長に期待しています。ちなみに、hachidori代表の伴さんは、投資銀行を経て起業して創業から3年で約10億円の資本提携をまとめているのを見るとピカピカのように見えますが、彼が創業してから僕らが投資したときは今展開している2事業とは別の領域で、彼もたくさんバットを振っています。これからもバットを振り続ける彼を微力ながら応援したいと思っています。リターン、本当にありがとうございます。

 

・Arii 投資先メンタリングにおいてSVのフルタイムメンバー並の活躍

Arii代表の新井さんは、大阪で営業や美容サロン運営などを行っていて、ネット系のスタートアップとして展開するとのことで1年前に投資させていただきましたが、そこから何回もプロダクトを検証し、チャレンジを続けています。彼のような回転するタイプは必ずうまく行くと確信はありますが、それに加えて投資検討しているスタートアップに対して、SVから受けるべきだと強く推してくれたり、投資した後も少し前を走る起業家としてメンタリングをしてくれていて、模範的投資先です。今後の事業成長と共に、彼経由で投資に至ったり、彼のメンタリングによって前進する会社がさらに増えることになるケースが増加することを確信しています。

 

 

ここに紹介していない会社の中からも、2018年大きな飛躍をした会社は複数あります。

既に2019年のMVPになるであろうと考えている会社もあります。2019年がSVにとってどういう年になるかは今から楽しみです。また、MVP発表をしたところ、うちはMVP入らないのですか?というのをいくつかメッセージを貰い、そういう競争感覚は非常に良いものだと思いました。

 

文章:木下 慶彦 / Skyland Ventures (@kinoshitay) | Twitter