上場企業の適時開示情報と時価総額を並べて見れるWEBサービス「TDmarket.jp」を企画・開発しました
週末のハッカソン的なプロジェクトとして「TDmarket.jp」と言うサイトを企画・開発しました。企画案は僕ですが、開発はすべてEast Venturesの投資先で働くフルスタックエンジニアの@yusuke_nozoe さんです。
ベンチャーキャピタリストの仕事をしていて、上場企業の投資やM&Aやどの辺りの事業内容で成長しているかなどの情報も大事になってくるのですが、いわゆるTDnet(適時開示情報検索サービス)を見ていると、日本の上場企業3500社の情報が五月雨式に流れてくる訳で企業規模がわからないとあまり重要かどうか判断しにくいと思っていたので、直近の時価総額を並べると言うファンクションを付けて、「TDmarket.jp」というWEBサービスを創りました。
サイトはこちら
なぜ創ったのか。ものづくりがしたい、理由はそれだけ
今年に入ってからソーシャルメディアで高い評価を受けているのはポケモンGO、シン・ゴジラ、DMM Planets、君の名は。などがあると思う。これらが公開されて以降の盛り上がり感は素晴らしく、日々関わらせて頂いているスタートアップの世界においても、ものづくりをして、世に発信していくこと、そして多くの人から評価を受けると言うサイクルの回数を大事にすべきだと思いました。
キッカケはツイートから、ワンデーハッカソンの重要性
1週間前にあるツイートをしました。
1日で何かを思いっきり仕上げるみたいなのをやりたい。1日で事業計画創るとか、1日でプロトタイプ創るとか、1日でデザインモック創るとか、1日でグラフィック描くとか。なんかそう言う仲間を増やしたいね。スタートアップなのだから。
— マックス木下 (@kinoshitay) 2016年8月25日
そこでfavしてくれたのがフルスタックエンジニアの@yusuke_nozoe です。TwitterのDMにて。やり取りして、ソッコーでアポが決まり。彼はこのチャットで前日まで僕リマインドしなかったんだけど終日空けてくれていた。
①上場企業の決算情報・適時開示情報と時価総額の連動。これを視覚化すること。
プロジェクトの背景
上場企業の経営そのものの、上場企業のファイナンスを学んで行きたく思っており
適時開示情報とTDnetとは
業績予想を修正する場合、それに関する適時開示が必要になります(売上高の予想値は10%以上、利益の予想値は30%以上、それぞれ修正する場合に必要)。この業績予想の修正に関する適時開示は、株価への影響が特に大きなものです。上方修正(予想値を大きくする)は株価を上げますし、反対に下方修正(予想値を小さくする)は株価を下げます。
TDnetを不便に感じるポイント
Macでは使えない・・・。
TDnetがMacで日付変更できない(フォーム動かない)問題が2010年から放置されているらしいことを発見して震えている...まじで昨日の開示情報が見られなくて死活問題なんだが... https://t.co/0AHDLg84lZ
— がぶ@FinTech (@gabu) 2016年7月26日
プロジェクトのゴール整理
この辺の情報を整理して、プロジェクトのゴールを整理してみました。
・大ゴール:TDnetなどを通じて公開されている適時開示情報を活用し、企業経営情報を認識する。経営側だった場合に、どのような適時開示情報を配信すべきであるかを考える。
開発するサービスの名称
Timly Disclosure (適時開示情報)+Market Value(時価総額)の意味合いで、適時開示情報を企業の時価総額によって見ていくことが出来ます。
ちなみに『TDnet○○』的な名前を最初考えましたが、商標を取られていたので使用はせず。『適時開示情報(TD)』と言う一般用語から発想される名前にしました。
※商標・特許を見るなら 特許情報プラットフォーム|J-PlatPat
・ロゴ:
TDnet他、金融サービスは金融業界以外の人が触る気がしないような、イメージの固いタイプのものが多いので、ロゴはポップな色にしようと言うことで、こういうのにしました。
上場企業の開示情報と時価総額を並べて見れるサービス「TDmarket.jp」で出来ること・出来ないこと
上記のTDnetの概況を色々と考えて、整理し、開発して出来たのが 「TDmarket.jp」です。一応出来ること、出来ないことを下記にまとめます。出来ないことは、週末プロジェクトなのでとても多いですが、作りたい方向性が見える化することを重視しました。
出来ること①
企業の時価総額を並べて表示することが出来ます。
時価総額が見えると、その企業の企業規模をなんとなくわかるはずです。
※この表示されている時価総額は最新の時価総額であり、適時開示情報がリリースされたときのものではありません。
出来ること②
時価総額のレンジ指定やキーワードを指定をしてソートすることが出来ます。
例えば時価総額のレンジを例えば500-1000億円の企業の適時開示情報だけを並べることが出来ます。これが出来ると、自分がフォーカスしている企業規模の会社の適時開示情報だけを拾うことが出来ます。これは投資家の中では時価総額のレンジでベンチマークするかどうかを決めている人がいると思ったためです。もしくはこの開示情報のタイトルだけを検索する形ですがキーワード検索も可能です。
出来ること③
各適時開示情報と翌日終値の値動きをウォッチ
8/27-29の時価総額100億円以上の企業の適時開示情報をリスト化しました。
「翌日終値」という欄があり、こちらはその開示情報により株価がどう動いたかを%表示しています。この開示情報がプラスだったのか、マイナスだったのか、翌日終値時点でどう動いたかを見るためのものです。
出来ないこと①
8/27-9/3以前のTDnet情報はソート出来ない
割りと偉そうに出来ることを書いたかも?ですが、デイリーで数百件ほど適時開示情報のデータがあり、その情報の一部だけ、現時点では1週間だけ(8/27-9/3だけ)アップしています。
出来ないこと②
デイリーで開示情報を更新はしない
週末プロジェクト(かつ開発期間限定)のため、デイリーで開示情報を更新するコードを書くのは難しいとなり、週末に更新する仕様にしました。このサービスを見に来て欲しい方としては、週末に今週の開示情報を見なおして、レビューするくらいの人という限定になりそうです(まずは)。
ということである意味α版的な完成度ではありますが、見えるものが完成してよかったと思っています。これもひとえに @yusuke_nozoe が素晴らしいエンジニアだったからだと思います。
そんなこんなで、「モノづくりをしたい」というゴールは達成されたのですが、モノづくりをするというのが楽しくなり、これからもたくさんのモノづくりをしたいという欲は今後も長く続きます。僕としてはスタートアップ、ベンチャーキャピタル、資本市場全体が何か前に進むようなツールのようなものや今後立ちあげ支援していくスタートアップのキッカケになるようなものを、こういったハッカソン形式で作るなどして発信していきたいと思っています。また、何かモノづくりをして多くの人に見てもらいたいと言う人がいたら @kinoshitay までぜひ教えてください。
TDmarket.jp をよろしくお願いします!一旦、しばらくの間、週一の適時開示情報の更新のみの予定ですが反響があったら追加で開発するかもしれません。
最後まで読んで頂いてありがとうございました。