スタートアップはプロモーションだ
先日、VRデバイスFOVEを開発するFOVE小島さんとテックインアジアにて登壇しました。テーマは運営側からは「VRスタートアップをどうやるか」みたいなのをリクエストされていたけれど、事前打ち合わせして小島さんが思われてるのは多くのスタートアップがプロモーションにお金やリソースを使わないことの課題感を中心に話してもらった。
スタートアップはプロモーションだ!と言うテーマです。
コンセプトを世界に打ち出せ、一刻も早く
2014年5月設立のFOVEは、2014年7月にアイトラッキング機能のあるハードウェアFOVEを発表。そのときはロンドンのMicrosoft Venturesに採択、数千万円のシードマネー調達。そして、FOVEのコンセプトムービーを発表した。このムービーが作りたい世界観を多くの人に届けた。ここまでが会社設立から2カ月。
創業2ヶ月で発表したFOVEのコンセプト映像
この映像で狙ったことは、アイトラッキング(視線追跡)技術と言うVRの世界で今後必要なコアなテクノロジーになるFOVEのコアコンセプトをOculusや世界中のVRデバイスに先んじて発表をすることだったと言う。
Kickstarterは資金調達目的か?マーケティング目的か?
FOVEは米クラウドファンディングサービスKickstarterにより数千万円の資金を得ている。だが、ここで得た資金はFOVEの目指す全体像からすると、到底どうにかなる資金では無い。数千万円や数億円の資金調達をするならばVCなどと向き合うべきであり、Kickstarterはあくまでプロモーション的な要素が強いということを、多くのスタートアップがわかっていないのではないかと小島さんは言う。
Kickstarterによるシード資金の獲得やVCからの資金調達の時価総額を上げるにはKickstarterは直接的ではないとの話だった。具体的にはシード資金の数千万円を資金調達するならVCとすぐ議論すべきであり、Kickstarterでの資金調達で時価総額の上げ材料とするならば1-2億円をクラウドファンディング出来ないと意味はない。
また、Kickstarterの中で一定以上の結果を出すにはそのムービー制作のサポートや資金提供者のリストのようなものを持つ企業が存在していて、そう言う会社と組んでいく必要がある。その場合は初期のコストと、資金調達額の何割かをシェアするようなタイプのところもあるがこの取り組みで何を得ようとするかを決めた方が良い。
小島さん本人も振り返りをFacebookポストにされている。
小島さんの話はとてもシャープだった。彼女くらいの発射角度のスタートアップを多数生み出して行かなければ行けない。セッションご一緒させて頂いてありがとうございます。機会をくださったTech in Asiaメンバーの皆さん、Davidありがとうございました。