東京にシリコンバレーのようなスタートアップエコシステムを作るためにすべきこと、それはMeetup(ミートアップ)

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写真:Skyland Ventures Meetup with gumi 國光宏尚さん gumiの創業ストーリー、今後のVRシーンなどについて語る

新しいスタートアップと出会うためにベンチャーキャピタルがやるべきことは何か

 スタートアップの未来を創るベンチャーキャピタリストとしての活動の中で、僕が考える最も重要なものの一つと言えばTwitterであり、もうひとつはMeetup(ミートアップ)だ。

 東京をシリコンバレーのようなスタートアップが多数産まれ・育つ場所にするためにはどうするべきかずっと考えているがその方法論の一つとしてMeetupと言う場の大切さを強く感じている。なので今日は特にMeetupについて書こうと思う。

 

Skyland Ventures MeetupをGWに連続開催中

 Skyland Ventures Meetupと言う名前でミートアップシリーズを2016年GWは10夜連続で開催しています。ゴールデンウィークだからこそ新しい人との出会いを!10夜連続スタートアップイベントを開催します 。このSkyland Ventures Meetupというイベントは実は2015年2月に初めて企画したものだ。当時も企画・開催し広報してから1週間だったが100名ほどの参加があり、そこから一か月待たずして来ていたスタートアップに投資実行をした。今East Ventures・Skyland Venturesの2社に兼務している@HirozawaDaikiもここで出会っている。

 

そもそもMeetupとは?

 Meetupと言うのは、会合のことを指す名詞であり、meet upと言えば出会うことを指している。まさにMeetupとは、参加者との交流を目的とする場のこと。

 よく僕が属するスタートアップの世界ではカンファレンスと言うものが多い。カンファレンスと言うと、その場にいるスピーカーがコンテンツの中心になるケースが多いような印象であり、例えばソフトバンク孫さんが講演するとあらば1,000人、10,000人が一瞬で集まるような話だろう。他方、Meetupは講演などゲストコンテンツなどはあるものだと思うが、参加者同士が深い交流を持つ。カンファレンスに比べてMeetupの方がゲストと参加者の関係性がフラットなものだと思っている。

 

Conference(カンファレンス)ではなくMeetup(ミートアップ)が必要

 日本人はことビジネスにおいてとても受動的である傾向にある。しかし、アメリカ社会のような能動的なアクションが求められる場では、Meetupのようなセッション参加者との交流がメインな場が多いのかもしれない。日本人が、シリコンバレーに対して感じる活気のようなものの源はMeetupカルチャーの差も一つあるのでは無いかとすら最近は思い始めている。

 
 このような思いをセカイカメラやテレパシーと言うプロダクトを持って世界にチャレンジして来て今はさらに新しいスタートアップであるDOKI DOKI CEO井口さんと意見交換した際も共感して貰えたものだった。そのときにビデオメッセージを貰ったのがこちら。(2015年2月頃)

 

www.youtube.com

 

スタートアップの仲間集めは一緒に戦う仲間を作ること、だからMeetupが必要

 これは多くのスタートアップの人達にとって一緒に仕事をするのはスピーカーのような人では無く、Meetupに来て同じように話を聞いている人達だからだ。

 例えばソフトバンク孫さんの講演があるとする。孫さんの講演に集まる人の中には一緒に本当に起業する・スタートアップ期を支える仲間は見つかりにくく、それは勉強に来ている人の方が圧倒的に多いからだ。スタートアップの仲間を作る上で1番大事なのは偉い人の話を聞くことでは無く、一緒に戦う仲間を作ることだ。

 

日本で最も有力なスタートアップと言われるメルカリも採用・仲間作りのブランディングにおいてミートアップをかなり重視している。

hr.wantedly.com

 

自社名を入れてイベントをやろう、すぐやろう

 Skyland Venturesも2012年8月に設立しており3年半以上が経っている。企業はよほど大型トピックスが続く場合を除き、自社名やサービスのブランドネームを世の中に発信し続けるチャンネルはあまり無い。Skyland Venturesもスタートアップ界隈を除く世の多くの人にとっては知名度は無に等しいと思う。

 だからこそ、自社の名前を入れてMeetupをやることが重要だと思っている。当時の知名度など関係無い。Meetupと言うものは規模もコンテンツなどを気にせずにもっとカジュアルに開催すべきだ。顧客や投資家や社員などがいる企業であればその関係者がやってくるはずだ。だからこそMeetupをまず開催しよう。

 

ムーブメントは実績からでは無い

 Meetupをとにかく開催する。それを良くしていけばよい。参加人数も企業活動が回っていればどんな会社でも30名くらいは来るだろう。それで良いのだと思う。

 TwitterFacebookもあるこの時代には、会社としての知名度はそれほど大きく関係が無いし、有名な人が来るなどもほぼ関係が無い。そんな場がMeetupだ。こういったものをまずやることが大事であって、そこから世界的な会社が産まれるかもしれない。

 それは、これまでも本当に歴史に残る大きなムーブメントの始まりは実績にかかっていた訳ではなく、根拠の無いものからスタートしているはずだからだ。実績に集まるものは、中ヒットにしかならない。本当に新しい時代を創るのものはその当時の実績もわからないものからだ。

 

最もヒットするのは処女作。スタートアップなら学生起業

 漫画や映画や本などのコンテンツで言えば処女作であったり、その著者の最初のヒットがその人の最大のヒット作品となることが多い。また、スタートアップの世界では、FacebookザッカーバーグGoogleラリーペイジ、そしてソフトバンクの孫さんなど学生起業家からスタートしたところが世界を制していると、言えるだろう。

 もちろん彼らは当時から凄かったかもしれない。しかし、今それらを客観視する際に今の姿を見ないでの説明は難しい。だから、実績ないとこからスタートしている。

 

だからまず一歩踏まなければいけない。

 

何もおきないスタートアップイベントにしない、Skyland Ventures Meetupからは月間10社のスタートアップを輩出したい

 最後に、かなり前の記事ですが日米で300億円規模のベンチャーキャピタルファンドを運営するWiL伊佐山さんはコラムで、「日本のベンチャーイベントは数が増えた。しかし、参加者が見物客から実行者に変わらないといけない。」こんな話もあった。

toyokeizai.net

 

いわゆるカンファレンス形式のイベントではなく、何かその参加者が動き出すMeetupのような場が増えることで、これを変えることが出来るものだと思い、Skyland Ventures Meetupは月間10社スタートアップが新規に産まれるようなコミュニティにしようと思っている。