「BrainWarsのデモから直感的にサービスヒットを確信し一緒に創っていきたいと思った」トランスリミット執行役員・早川豪氏の開発力の磨き方

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「技術者集団」トランスリミット。創業からの2タイトルが立て続けに1000万ダウンロード超えのヒット作を生み出している注目のスタートアップで、執行役員・リードエンジニアとして活躍する早川豪氏。

ヒット作開発の裏側や、そのための考え方を中心に伺った前回に続き、今回は早川氏がエンジニアとしてどのように技術を身につけ磨いてきたのか、トランスリミット入社のエピソードも含めて伺いました。前編も合わせてご覧ください。

トランスリミット早川豪氏インタビュー前編

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トランスリミットへのジョインは、再会した日にその場で即決

--トランスリミットへ入社された時のことをもう少し伺いたいんですけど。CEOの高場さんと前職で関わりがあったと聞きました。

 

前職はサイバーエージェントだったんですけど、同じ事業部に社長の高場がいたんですよね。とはいっても同じフロアにいて顔はちょっと知ってるぐらい。話したことはほとんどなくて。

高場っていう人がいるってことは知ってるという。向こうも多分そんぐらいでした。だからサイバーエージェントにいる間はそこまで深い関わりはなかったんです。

トランスリミットを知ったのも、本人から聞いたわけではなくTechCrunchの記事でBrain Warsのデモみたいな、ちょっと動いてる動画を見たことがきっかけでして。

これおもしろそうだなって。よく見ると、高場の名前があって「あの高場さんかあ、こんなことやってたんだ」って。

 

--その時点ではまだ転職される気はなかったんですか?

 

なかったです。その時は「へー」って思ってたくらいでした(笑)

ただそのあと自分もそろそろ転職したいなっていうふうに思い始めて、Wantedlyを開いたら、ちょうどトランスリミットが人を募集してたんですよね。「あ、高場さんだ」と思って、アプリも面白そうだったので、話を聞いてみたいボタンをポチりました。

そうしたらその夜高場さんからFacebookでメッセージがきて。「Wantedlyでポチった?(笑)」みたいな感じで、「はい」って言ったら、次の日にランチ行こうってなって、そのまま次の日ランチ行って、そこで話を聞いたりして、これおもしろそうだなっと思って、そこで「じゃあ入ります」って即決しちゃいましたね(笑)

 

-- その場で即決ですか!(笑)何が決め手だったんですか?何となくおもしろそうだなみたいな?

 

大体何となくおもしろそうだなっていう感じなんですけど、元々一緒にサイバーエージェントで顔の知ってる人だし、安心感があったっていうのと。

あとはBrain Warsのそのデモの動画がやっぱすごいおもしろかったっていう。まだ一部しかプロダクトはできてなかったんですけど、それがすごいおもしろくて、これは多分すごくヒットする可能性があるんじゃないかってそのとき直感的に思ったんですよね。

だからその2つです。人柄と、そのプロダクト両方を見て、ここがいいんじゃないかと思って転職しました。

 

クリエイティブなものを、ユーザーに提供する仕事をしたかった

 

-- なるほど。そもそも転職を考えたきっかけは何だったんですか?

 

前職ではサイバーエージェントのゲーム事業部というところでプラットフォームの基盤となる技術みたいのを作ってたんですよね。ユーザーに向けて何かを作ってるっていうよりは、そのゲームを作ってるチームに対して何かを提供してるっていう立ち位置だったんです。

もちろんやりがいはあったんですけど、そういうのをやってくうちに、もっとクリエイティブにものを作って、それをユーザーに提供するっていうことをやりたいと思い、それがきっかけでした。

 

--サイバーエージェントにいらっしゃるときから、マネージャーというか、チームをまとめる感じだったんですか?

 

いや、サイバーエージェントにいるときはガチガチのプレーヤーでした。新卒で入社して2年とちょっと働いたんですけど、最初の1年はソーシャルゲームを作ってましたね。

ソーシャルゲームの立ち上げのフェーズに自分が入りまして、そこで企画の段階から運用まで一通りをやらせてもらいました。

最初そのプロジェクトに入ったときはエンジニア僕だけで(笑) 新卒なのになんかプロジェクト新規で入って、エンジニア俺しかいないみたいな感じでやらざるを得なかった。

 

--新卒で入ってすぐにそれはハードですね(笑)必然的にいろいろなスキルが身につきそうな環境ではありそうですけど。

 

その後だんだん人も増えてきて、エンジニア5人ぐらいになったんですけど。

ただその環境の中で、新規でサービスを作ってそれを運用するまでっていう一通りの技術とかやり方っていうのを学ぶことができた。そこで1つのプロダクトは作れるぐらいのスキルはついたかなと思いますね。

その後は先ほどもお話したように色んなゲームの基盤となる技術を作ってったんですけど、そこでより自分の実装スキルだとか知識など、かっちりしたことを学んだというか。

プロダクトを作ってるだけじゃないんですけど、より技術的なことを学んだっていう感じですね。そこで学んだことが今すごく活きていて、その時の経験が大きかったなというのは日々感じています。

 

狭いシェアオフィスから生まれた、2500万ダウンロードを超えるプロダクト

--トランスリミットに入ったときの印象はどんな感じでした?当時はまだ数人の段階だったというお話でしたが。

 

入ったときは、オフィスもシェアオフィスで、自分たちが4人ぐらい座ったらもうスペースがないみたいなとこでやっていました。

まだできたての会社っていうか、そもそも会社感ないし、っていう感じで。そこで少人数でほんとに3人とか4人とか、そういう人数でひたすらコードを書いていました。

 

--そこから始まって、今ではリリースされているアプリが累計で3500万ダウンロード突破ですか。すごいですね。

 

単体で1000万ダウンロード突破した時とかはそのときは、そりゃあもうテンションが上がりましたね。

 

--今はどうですか?入社された当時と比べて、どう変わってきましたか?

 

会社として実装力が圧倒的に上がりました。社員が20人程になりまして、できることの幅が広がって、より大きな規模のゲームが作れるようになってきました。

 

-- 技術者集団というお話がありましたが、「こんな会社・集団にしていきたいな」のような理想ってあります?

 

技術者集団ってのは守っていきたいです。会社が大きくなっても8割9割がエンジニアで成り立ってる、そういう集団がいいですね。

技術者集団といっている以上、そこを強みにやっていきたいですし、個人はもちろん会社全体の実装力を追求していきたいです。まだまだ小さいスタートアップですし、スピードとクオリティをあげないと倒れてしまうので。

 

ものづくりの楽しさが難しさを上回っていて、全然しんどくない

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 -- 個人としてはスタートアップにジョインされてからいかがですか?ぶっちゃけ思ってたよりしんどいみたいな(笑)

 

常にしんどいっちゃしんどいです(笑)

ただ、それよりも楽しさや、やりがいが大きいので、苦しいと感じたことは無いですね。

ただなんだろうな、特別しんどいっていうようなときはそんななくて。楽しんでやってるってのもあると思うんですけど。

どうだろうな。なんですかね、そんなにしんどくないです(笑)楽しんでやっているので。

 

--何が楽しいですか?

 

やっぱり新しいものづくりをするっていうことの楽しさですよね。新しいものを作るとか。もちろん、ものづくりをする大変さもあるんですけど、楽しさのほうが上回ってるから全然しんどいとは感じないです。

 

--ユーザーに向けてプロダクトを作りたかったので転職をされたというお話もありましたよね。

 

そっちのほうがやっぱり全然楽しくて。ユーザーの声を聞くことできますし、自分が作ったプロダクトをほんとに、例えば自分の周りの人がやってるとか。そういうのも、やっぱりモチベーションにはなりますよね。

 

--海外の割合すごいですよね。世界中で使われているっていうのは素敵ですよね。ちなみに海外のユーザーが多いと難しい点とかあるんですか?

 

例えば日本で当たり前のものが海外では当たり前じゃなかったりすることはあります。

Brain Warsであったのは、じゃんけんのミニゲームがあったんですけど、日本だとグーチョキパーですよね。でもあれって国によってはグーチョキパーじゃない国もあったりして。

そのように、日本で当たり前のことも海外では当たり前じゃないことが多いっていう。それは結構苦労するというか、日本人の当たり前に縛られてやっちゃいけなくてっていうのはあります。そこは大変かもしれません。

 

--そういう場合ってどうされてるんですか?

 

Brain Warsに関してはじゃんけんのやつは、一部トレーニングモードみたいのができるんですけど、対戦には出てこないってふうにして。だからグローバルに通用するもののみにして、そっちに合わせるっていう感じですね。

 

常に最新の情報をキャッチアップすることと、日々新しいことにチャレンジすること

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--結局最後のところは個人のスキルがすごい決め手になるってお話があったと思うんですけど、早川さん自身はどうやってスキルをつけられたんですか?

 

結構仕事で身に付けたっていう部分が多いと思いますね。

やっぱりサイバーエージェントのときに新規で入ったプロジェクトでエンジニアがほとんどいない中で、自分が作んなくちゃいけないっていう環境で鍛えられました。

プロジェクトの中で、それも少人数のプロジェクトの中で身に付けてきたっていう感じになりますね。

 

--じゃあ勉強するっていう感じってよりは、プロジェクトの中で学んでいったんですね。

 

両方ですね。自分でももちろん勉強しますけど、メインはプロジェクトで、それを補完するために勉強している感じですね。

あとは常に新しいことにはチャレンジしています。もともとサイバーエージェントにいたときはサーバーサイドをずっとやっていたので、サイバーサイドのスキルはあったんですよ。

なのでトランスリミットにきて最初はサーバーサイドをやっていたんですけど、よりクライアントのスキルが求められているというか、アプリを作るにあたってクライアントのできる人が必要だ、っていうふうになって、自分はそのクライアントサイド、ゲームを作るほうに移ってったんですけど。

それでまたスキルの幅が広がったといいますか、サーバーサイドだけじゃなくてゲームのクライアントのほうも実装できるようにスキルを身に付けたっていう感じになりますね。

トランスリミットはエンジニアの集団なので、技術力がないとマネージメントするのも難しいなっていう(笑)

だからプレーヤーとして自分の技術を磨きつつも、マネージメントも両方ともするっていうふうに。両方できなくちゃいけないって思っています。

 

--今でも新しいことのキャッチアップは常に?

 

そうですね、常にやっていますね。基本は本を読んだりすることが多いです。子育ての合間に土日もやってます。

 

--本を読むこと以外で何かやっていることはありますか?

 

そうですね、なんだろうな。いってもやっぱりプロジェクトで学ぶのが一番早いと思っているので。実際にプロジェクトをやりながら技術を身に付けていくというか。まずは作ってみること、手を動かしてみることですよね。

プロジェクトに関連することを深く勉強する。やりながらより深く勉強できるので、そういうスタイルですね、自分は。それが一番身に付くというか効率もいいですから。

作って壊すことを何度も繰り返していると、学ぶことも多いのでプロジェクトを通してかなりスキルがつきますよ。

 

継続的にヒット作を出し続け、上場までいきたい

 

--最後に、ご自身で思い描いている理想というか、今後こうなっていきたいみたいな目標があれば教えて下さい。

 

今はやっぱりまずトランスリミットで結果を出すことが1番ですね。

開発中のLINEゲームを当てて、そしてそれに続くヒットアプリを継続的に出す。そのままの勢いで上場までしたいっていうのが直近の僕のやりたい、目指していくところではありますね。せっかくそこを目指せる環境にいるので。

それに、その目標が達成できるということは、多くの人に楽しんでもらえるアプリを作れた結果でもあると思うので、1人の技術者としてもまずは今の環境で結果を出したいです。

 

 

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Photos by  @yuki_nobuhara