前回に引き続き、ナナメウエでiOSエンジニアとして活躍している千葉氏のお話を紹介します。大学生エンジニアインターンを多数受け入れるナナメメウエのエンジニアとして大切な調べ方の技術に関する話から、多くのことを学んだというアニメの話まで。これからエンジニアを目指したという方は必見です!
前回のインタビューはこちら。
エンジニアとして成長するためのアドバイスは、調べ方を添削すること
-- 今では大学生インターンの育成もされているとのことでしたが、そちらはいかがですか?
僕が初めてアプリを出して2か月後くらいに、初めて自分の下の大学生インターンが入ってきてくれました。
その子を教えたりするのが最初だったわけですが、教えるのがすごく楽しいなっていうことに気付くことができました。
ちょっと哲学的ですが、教える事自体が、僕の中でエンジニアリングだなって思っています。自分が作りたいと思う様に作ることができるので。
自分もまだまだなのにちょっと上から目線みたいで恐縮なんですが、本人の要望も聞きつつ、それならこういう方向に育ったらいいなとイメージがすごいありました。自分が教えた通りにその人ができるようになるっていうのがすごい嬉しかったです。
表現は良くないかもしれないですけど、ある意味「人を作る」みたいなイメージで、それにすごくやりがいを感じています。
-- 教える=エンジニアリングっていうのは何か斬新ですね。
ありがとうございます。
-- 教えてる時にどんなことを意識しているんですか?
意識していることは2つあって、1つは人に聞く前に自分で調べさせること。もう1つは調べ方を添削することです。僕が成長を実感できた時、一番重要だと思ったのが、自分で問題解決ができること。ただコードを書くだけじゃなくて、自分で調べて正しいコードを書こうとすること、これが重要だと思っています。
-- 調べ方を添削する?
はい。調べ方を聞いて、添削します。
具体的には、インターン生が調べてもわからないといった事態に遭遇し僕に回答を求めてきた時には、「これってどういうふうに調べたの?」といった具合に調べ方を聞くようにしていて。
そこで「ああ、そんな感じで調べたんだ」という彼なりの方法論を理解したうえで、「俺だったらこれはこうこう、こういうふうに検索する」と言った具合に、実際に一緒に検索をして回答を導き出すまでを実演します。
調べ方にはコツがあるのでそれを目の前で実践することを大切にしています。
-- 調べる時に大切なことってありますか?とにかくひたすら調べる。以上。みたいな感じなんですかね。
めげないことですね。何度でもトライするガッツ必要だと思います。一人でやっていてダメになっちゃうのって所詮この部分なので、僕たちはチームでこれを乗り越えられたらいいなと、頑張っています。
-- めげないことですか。お話を伺っていて、改めて調べる力って大切だなと思いました。
かなり重要です。ただし、こう言っては矛盾ぽく聞こえてしまいますが、当然調べるばかりでもダメで、一時間とかそういう時間で区切って分かる先輩に聞くというのも必要ではあります。
年間200本はアニメ見てます、クリエイターの創ったものに触れることの大事さ
-- ちょっと話変わるんですけど、プログラミング以外で普段どんなことされているんですか?
アニメを見てます。僕はすごいアニメを見ていて、例えばこの1年間で200本ぐらいはアニメを見ています。
-- 2日に1本ぐらいは見ているっていうことですか。
例えば仕事をしている時も、アニメを流しながら仕事をしていることが多いです。
別に映像は見てないけど、音声だけ聞きながら仕事をしてることが多いです。
「この作者ってきっとこういう熱意を持ってこのアニメを作ってるんだな」っていうのが、すごい伝わってくるのでやる気がでます。
モノ作りしてる人間なんで、俺も信念を持ってこういうもの作ろうってなるんです。
-- モチベーションというか、創作意欲が掻き立てられる感じなんですかね。
はい。アニメとアプリを作るのは一緒だと思っています。
--それはモノを作るっていう意味ですか?
そうですね。人に刺さるものを作るということです。かっこつけてるみたいで恐縮なのですがクリエイターの創ったものと言う意味ではアニメもアプリ開発も通じる部分があると思います。
-- アニメが仕事に関連しているというか、アニメから学んでいることも多いんですか?
よくよく考えると僕はアニメから学んでいます。個人的にはスティーブ・ジョブズの本を読むより、スラムダンクを読んだ方がいいと思っています。
-- 漫画もお好きなんですか?スラムダンクに関してはアニメもありますけど。
そもそも漫画は好きで、でもアニメはあんまり見たことがないっていう感じだったんですけど、2012年にアニメを見始めました。そこからは、逆にアニメばかり見るようになりました。
アニメを見て、おもしろいなあと思ったら原作全部買いに行く。今はそんな風になっています。アニメにしても、マンガにしてもそこから多くのことを学べるし、何より創作意欲を掻き立てられます。
もっと多くの人にプログラミングを経験してみて欲しい
-- 最近ではアプリ開発勉強会のようなイベントも始められたそうですね。
アプリ開発勉強会なのをSkyland Venturesやテックサロンと一緒にやっています。あとはSwift勉強会を空いてる週末にオフィスでやっています。
次回開催予定の勉強会(2016年6月5日)
-- それはどういう人に向けて、プログラミングがわからない人に向けて教えるっていう意味ですか。
はい。わからない人に向けてやろうと思っています。
今1-2ヶ月くらいで、集中的にアプリを開発する教室だったり、イベントって増えてきていると思うのですが、そこに来ない層を見つけたいです。
「ちょっとエンジニアって良くわからないけど何だろう」みたいな、ふらっと行ってみようかなみたいな、そういう層の人にもプログラミングをやってみて欲しいと思っています。自分がまさしくそれで人生が変わったので。
初心者向けで、無料でやっています。
--いいですね。
はい。Skyland Venturesのメンバーから提案されたので、よし、やろうと。
-- 基本的にノリがいいというか、フットワーク軽いですね(笑)
そこは意識しています。
エンジニアの心にささるものが作りたい
-- 今年中にライブラリあと10個作るっていう話もあったと思うんですけど、こういうエンジニアを目指したいとか、こうなりたいってありますか。
すごいエンジニアは2種類あると思います。ひとつは人々の心に刺さるものを作る人と、もう1つは世界中のエンジニアに響くものを作る人です。
-- エンジニアの人に向けて作るか、エンジニア以外の人に向けて作るかっていう違いですか?
はい。前者は一般の人に向けてなので、今だったらLINEとかがわかりやすい例で、後者はエンジニア向けのライブラリを提供することが重要だと思います。
アプリを作る時は必ず外部のライブラリを使います。僕らのアプリだったら20個ぐらいはどんなアプリでも使ってます。
今は、一般の人向けにサービスを提供することが当然重要だと感じつつ、あえてエンジニアに突き刺さるものを作るということにフォーカスしようとしています。
-- どうしてそう思うようになったんですか?
例えばアプリをたくさん作る中で、ノウハウが溜まります。どんどん社内ライブラリ化していくんですけれど、社内でライブラリ作ってる時にやりがいを感じました。いかに効率的に短いわかりやすいコードを書くかを考えること楽しいです。
自分が作ったものをいろんな人に使ってもらっているのも、もちろんすごい楽しいんですけど、何かライブラリを作るっていうのはまた別の楽しさだなと思っています。
-- 違う楽しさなんですね。どの辺が違うんですか?
自分のすごさを証明できる楽しさだと思います。誤解を恐れずに言うと、人に刺さるものを作ることは、いいコードを書くことと、あまり関係ないという現状があると思います。汚いコードでも極論動けばいいわけです。
チームでいいプロダクトを作るというのは当然必要なのですが、個人として、エンジニアとして評価されるためにはやはり良いコード、負担の少ないコードをいかに書くかというのをよりモチベーションの中心になっています。
-- それで、10個ライブラリを作るという目標なんですね。どんなライブラリを作りたいとかってあります?
やっぱり従来だと大変だったものが簡潔に書けるようになる。そんなライブラリです。社内にはそういったソースコードが大量にあるので、それを応用してより一般化できればと考えています。
普通に実装したら100行かかる部分を2行で出来たらいいですね。そんなライブラリを目指して、今年10個つくりたいと思います。
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