モバイル×ソーシャルの市場を捉え続けるgumi CEO 國光宏尚氏に学ぶスタートアップのビジネスの創り方

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毎週水曜日に開催しているSkyland Ventures BEATS という起業家とのスピードミーティングを特別ゲストgumi CEO國光宏尚さんをお招きして開催した。スピードミーティングの前に講演頂いた内容を下記に紹介する。

 

gumiは創業者の國光宏尚氏により2007年6月に「モバイル×ソーシャル」をテーマに創業。モバイルソーシャルプラットフォームをコンセプトにSNS gumiを提供。その後、モバゲーやGREEなどのモバイルゲームプラットフォームのオープン化に伴いモバイルソーシャルゲームへ転換。その後iOS/Andoridベースのスマホのゲーム市場へ参入している。2014年12月東証一部上場。

 

スタートアップの課題はビジネスの創り方の根本が間違っている

具体的な間違えは、身近なニーズを解決しようとすること。
大学生向けサービスや若い男女向けサービスなどに視野が行きがち。
若い人は可処分所得が無い。可処分所得が無い人の問題を解決してもビジネスにはなりにくい。

ビジネスはシンプルに、お金を払う人の問題解決をする必要がある。
若い人には、富裕層向け、シニア向けの課題解決をするための方法論の組み立てが難しい。

 

大きなビジネス を創る3つの方法

1.既存の大きなビジネスをディスラプトする

例えば
・タクシー業界は不便であると産まれたのはUBER。
・ホテルの予約が入らないのはAirbnb。

このようなビジネスを立ち上げるのに1番良いタイミングはプラットフォームがシフトするとき。
PCからスマートフォンへ。スマホ登場以降、スマホファースト、スマホオンリーのサービスが躍進した。
PCでのヤフーをリプレイスするものが非常に上手くいった。

こういったロジックで
・ヤフーメール→LINE
・ヤフーオークション→メルカリ
・ヤフーニュース→スマートニュース、グノシー
などが産まれた。

 

2. 5-10年後の大きな変化を考える

・ここ数年で検索量は増える。
・ここ数年でVR/AR市場は拡大する。
・スマホ含めデバイスは小さくなっていく。

このようにあるべき姿を明確に選び、その市場で何が今後起こっていくか、過去起きたことから考える。

 

3.研究開発型

バイオやテクノロジー研究をビジネスになる。

 

スマホゲーム市場、スマホ動画市場で起きたこと、VR市場で起きること

例えば、スマホのゲーム市場で起きたことは
・家庭用ゲームの会社が、スマホゲームとして移植しようとした
・スマホならではのミニゲームを提供した個人などが躍進した。が、その後続かなかった。
・スマホならではの高いレベルのスマホゲームを創るプレイヤーが勝った
・スマホゲーム市場でのモノづくりをスムーズにするUnityのような開発ツールやクラウドサーバーで勝ち残ったところはすべて大手系列の企業グループになった

 

他方、スマホ動画市場で起きたことは
・TVコンテンツをそのまま持ってきたプレイヤーが多数いた。GYAO、NOTTV、ワンセグ など。しかし、テレビと同じコンテンツでは流行らない。
・スマホならではの動画コンテンツをソーシャルメディアに創る素人が出てくる。
・Facebook、Instagram、Snapchatの動画はスマホユーザーにとって良いプラットフォームになっている。

 

今後、VRでも同じことが起きる
・VRに家庭用のゲームロジックでものづくりをしていっても大きくは流行らない。
・VRならではのコンテンツを創る素人が出てくる。
・VRのプロフェッショナルコンテンツを創るところが大きくなる。


スマホ時代にビジネスが多数産まれたのは隙間時間を取ることが出来たこと

1日5回くらいの、3-5分ほどの隙間時間を取っていけるサービスが伸びる。
コンソールで有力だったゲームは3-5分ではやれない。
スマホファーストだからUIUXだけを考えるのは間違い。
メルカリはスマホでの提供するCtoCプラットフォームはオークションでは無く、即断即決形式にした。


スタートアップがニッチな方向に行くのは間違っている

世の中をどう変わっていけるかを考える。
2007年にiPhone出て以降、スマホは普及してきたが、ニッチな方向になってしまっている。
ニッチな市場を取るのに時間がかかるが、大きくならない。

 

スタートアップが答えるべき 大手が競合として参入してきたらどうするか

この答えは1つしか無い。大手が来るとしても半年ほどはかかる。
その間にサービスがネットワークの外部性を持ってして優位になる。

 

競合をひっくり返しにくいポイント

1.ネットワーク外部性
2.価格
3.規制
などがある。

 

事業を変えることをピボットとは呼ばない、自分たちがかける大きな方向性を見つける中でのトライアンドエラーがピボット

スタートアップはやることは見えるまでリーンに、大きな方向性とタイミングが揃ったと思ったら資金調達を行なうべき。

5-10年後はわからないが、2年後に来ることはわかる。

大きな方向性に向けて準備していく。

よく事業を何個も創っては壊しをしている人も含めてピボットと言ったりするが、これは間違い。会社としてやるべきテーマを定義してその市場の中でバットを振り続けるのがピボットである。なので、市場の選定は重要。

 

モバイルソーシャルをテーマに今も駆け抜けているgumi國光さんの話を伺うことで大きなスタートアップの創り方を考えなおすべきと感じました。ありがとうございました。

 

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